北海道の緑の大地とほんのり甘い牧場の恵み――。国内の産地とオンラインでつながり、料理を作りながら食べ物からSDGsについて学ぶイベント「毎小カントリーキッチン~食から学ぶSDGs~」の1回目が5月28日に開かれました。50人の子どもたちが、「有機酪農」に取り組む牧場のヨーグルトを使ったデザート作りに挑戦。牛が寝そべるのどかな草原の風景を楽しみながら、北海道の大地の恵みを味わいました。【斎藤広子】
初めてのカントリーキッチン
「毎小カントリーキッチン」は、毎日小学生新聞と株式会社TNCが共同で企画しました。今回が初めての開催です。化学メーカーのカネカが協力し、乳牛を育て牛乳やバターなどの原料のミルクを生産する「酪農」を題材にしました。
舞台は北海道東部の別海町です。人口の8倍以上の乳牛がいる「酪農王国」として知られます。この町で、日本ではまだ少ない「有機酪農」に取り組む牧場「別海ウェルネスファーム」から中継しました。
「有機酪農」は農薬などを使わない草地で栽培されたエサを牛に食べてもらい、「密」にならないように飼うという「牛にも、環境にも優しい酪農」のことです。この牧場はさらに、機械を使って働く人の負担を減らし、「人に優しい」も目指しているといいます。牧場の久多里俊輔さんと大庭隼さんがガイド役となり、設備を案内しながら、「雪原と草原のヨーグルトシャーベット」の作り方を手ほどきしました。
「雪原と草原のヨーグルトシャーベット」
別海町は、冬は一面雪に覆われ、春には緑いっぱいの草原が広がります。シャーベットはそんな様子をイメージしたオリジナルのデザートです。参加者には事前に「別海ウェルネスファーム」のミルクから作られたカネカの「ピュアナチュール オーガニックヨーグルト」(330グラム)が送られています。とろっと滑らかな食感が特徴で、ほんのりとした甘みがあります。子どもたちは大庭さんの説明を聞きながら、ポリ袋に入れたキウイを手でもんだり、ヨーグルトとクリームチーズを混ぜたりして、デザート作りにチャレンジしました。
ウェルネスファームから中継
冷蔵庫でデザートを冷やしている間、久多里さんが別海ウェルネスファームの牛舎から中継し、太陽光発電を活用していることや、牛のフンを牧草の肥料や牛のベッドに敷く材料としてリサイクルしていることなどを紹介しました。牛舎では牛が歩き回り、天気の良い日には自由に外に出ることもできます。赤い大きな機械のそばで牛たちが順番待ちをしている様子も映し出されました。
久多里さんによると、この機械は牛の乳をレーザーで自動的に探して乳搾りを行う大型の「搾乳機」です。久多里さんは「牧場の仕事は朝早く、冬は氷点下20度以下になることもあり、体力や頑張りが必要です。こうやって機械を入れることで朝晩の乳搾りがなくなり、メンバーはとても助かっています」と説明しました。
ツアーのあとに、参加者は牧場の取り組みを振り返り、SDGsの17の目標のどれにあたるのか考えました。参加者からは「健康な牛のミルクを飲めば人も健康になる。『すべての人に健康と福祉を』の項目だと思います」などの意見が出ました。また、牧場の日常を紹介するクイズも行われ、牛の出産の瞬間を映した動画に、子どもたち全員が真剣に見入っていました。
最後はいよいよデザートをみんなで食べる時間です。冷蔵庫から材料を出して盛り付け、みんなで「いただきます」とあいさつしました。「おいしい」と笑顔で話しながら、牧場の恵みを楽しみました。
イベント題材に新聞も
東京都の小学5年生、武藤壱刀さん(10)は、家族と一緒に参加し、感じたことを新聞にまとめました。「デザートは、ヨーグルトの甘みがあっておいしかった」と話しました。神奈川県のきょうだい、小学1年生の山本貴大さん(6)と小学5年生のあづささん(10)も、イベントを題材にした新聞を送ってくれました。電話取材に、「牛が生まれる瞬間が思ってたのと全然違ってびっくりした」(貴大さん)「有機酪農について初めて知った。機械に助けられて、人も牛も幸せそうなのが印象に残った」(あづささん)と振り返りました。
ピュアナチュール オーガニックヨーグルト(330グラム) 3個セットを5名様にプレゼント!
このイベント内でデザートを作るときに使った、カネカの「ピュアナチュール オーガニックヨーグルト」=写真=をアンケートにお答えいただいた中から抽選で5名様にプレゼントいたします。別海ウェルネスファームの有機生乳から作られたヨーグルトです。なめらかで濃厚な味をお楽しみください。
■ご応募はこちら
https://entry.mainichi.jp/app/maisho-present2306/
※締め切り:2023年6月27日(火)